- 経理部員になるために、必要な資格を知りたい
- 資格取得する費用は?
- 取得はどれくらいの期間が必要?
結論、経理で一番オススメな資格は日商簿記2級です。
経理は資格がなくても働けますが、資格を取得することで就職や転職、キャリアアップまでに様々な場面で役立ちます。
私は未経験から経理事務に転職して、給料アップに成功しました。しかし内定を得るまで、何度も挫折し失敗を繰り返し、最終採用となりました。
本記事では、転職初心者でも迷わず、チャレンジすれば経理事務員になれるように本当に必要な資格を厳選して解説します。
経理とは?基礎知識と必要な資格の概要
経理部は、会社全体のお金の流れを把握・管理しています。
経営判断や納税に欠かせない決算資料の作成、給与支払、仕入金の支払いや売上金の管理など、その業務は多岐にわたります。
- 決算資料の作成
- 会計ソフトの操作やデータ入力
- 給与計算や源泉徴収の計算
- 仕分帳や財務諸表の作成
- 買掛金管理や売掛金管理
- 伝票作成やデータ入力
- 領収書の整理や請求書作成
- 法人税等の納付など
未経験から経理に転職したい方向けオススメ資格5選
経理の基礎を学べる資格として、経理未経験者にオススメの資格です。
すべて簡単に取得できるわけではないので、しっかりと勉強をして臨みましょう。
資格の種類 | 内容 | 学習時間 | 受講料 | 公式HP |
簿記検定2級 | 未経験から経理転職を可能にする最強資格 | 200〜400時間 | 4,720円 | 詳細を見る |
FP検定 | お金にまつわる幅広い知識を取得 | 300〜600時間 | 11,700円 | 詳細を見る |
FASS検定 | 経理業務に必要な実務的知識とスキルが身につく | 500~1000時間 | 10,000円 | 詳細を見る |
給与計算検定 | 経理業務に重要な給与計算に関する知識を証明 | 100~300時間 | 8,000円 | 詳細を見る |
MOS検定 | Word、Excelなどのオフィスソフトのスキルを証明 | 40~80時間 | 9,800円 | 詳細を見る |
経理業務に役立つ資格を有していることは、自身の市場価値が高まる、将来的なキャリアアップに役立つなどのメリットがあります。
日商簿記検定2級
日商簿記は、商工会議所が主催する検定試験で、経理関連の資格ではもっとも有名な資格の1つです。
簿記の難易度は初級、3・2・1級までの4つに分類されます。一般的に企業が必要とする知識が身につくのは2級からです。
- 未経験からでも経理への転職を可能にする最強資格
- 試験の方法は2種類で統一試験(ペーパー)とネット試験
- 必要な勉強時間は200〜400時間
- 統一試験の合格率が20〜25%に対し、ネット試験の合格率は40%前後を推移
日商簿記検定2級の統一試験(ペーパー)合格率は以下のとおり。
回 | 受験者数(申込者数) | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
164(2023.6.11) | 10,618名 | 8,454名 | 1,788名 | 21.1% |
163(2023.2.26) | 15,103名 | 12,033名 | 2,983名 | 24.8% |
162(2022.11.20) | 19,141名 | 15,570名 | 3,257名 | 20.9% |
日商簿記検定2級のネット試験合格率は以下のとおり。
期間 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|---|
2023年4月~2023年6月 | 22,438名 | 8,861名 | 39.5% | |
2022年4月~2023年3月 | 105,289名 | 39,076名 | 37.1% | |
2021年4月~2022年3月 | 106,833名 | 40,713名 | 38.1% |
ネット試験は新しい試験形式で、現段階では出題される問題のパターンが決まっています。ある程度傾向をつかんで勉強すれば合格しやすい試験です。
簿記1級になると合格率が1割を下回り、資格取得のハードルも高くなりますが、より専門性に特化した知識を得られるため将来的なキャリアアップに役立ちます。
» 簿記2級を活かせる仕事
FP(ファイナンシャル・プランナー)検定
ファイナンシャル・プランナー(FP)検定は、一般社団法人金融財政事情研究会とNPO法人日本FP協会が主催している国家資格です。
FP検定は1級~3級までの3つに分類されます。企業が必要とする知識が身につくのは2級以上からです。
- 経理や財務だけではなく、お金にまつわる幅広い知識を取得できる
- 税金や相続など日常生活に役立つ知識が身につく
- 必要な勉強時間は300~600時間
試験内容は、それぞれ主催している団体によって異なります。
金融財政事情研究会で受験する場合、
- 資産相談業務
- 個人資産相談業務
- 生保顧客資産相談業務など
受験するコースによって受験科目が変わります。
日本FP協会で受験する場合、資産設計提案業務に関する分野が網羅的に出題されます。
» FPと簿記の違い
FASS検定
FASS検定は、経済産業省が経理・財務部門の人材育成を目的に2005年に創設した資格です。
- 経理業務に必要な実務的知識とスキルが満遍なく身につく
- 試験は資産、決算、税務、資金の4科目で構成
- 通常の資格試験と異なるのは、合否を問うものではなくA~Eの5段階で評価
- 必要な勉強時間は500~1000時間
最高のA評価を獲得した場合は、経理業務の実務的知識があることを証明できます。
将来的なキャリアアップや転職を考えている方は、A評価の獲得を目指しましょう。
給与計算実務能力検定
給与計算実務能力検定は、一般財団法人職業技能振興会と実務能力開発支援協会が主催している内閣府の認可を受けている資格です。
試験は1級と2級の2つに分類されます。
- 経理業務に重要な給与計算に関する知識を有していることを証明
- 給与計算の基本から、社会保険、労働基準法、税務に関する知識が身につく
- 必要な勉強時間は100~300時間
2級の合格率は70〜80%と高く、しっかりと対策と勉強をしていれば合格は可能です。
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)検定
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)検定は、Microsoft社の認定資格です。
- Word、Excel、PowerPoint、Access、Outlookなどのオフィスソフトのスキルを証明
- WordとExcelのみ一般レベルの「スペシャリストレベル」と上級の「エキスパートレベル」がある
- 必要な勉強時間は40~80時間
MOS検定を取得すれば実用的な能力が身につき、客観的に自身のパソコンスキルを証明できます。就職や転職の際に役立つでしょう。
経理で年収アップしたい方向けオススメ資格2選
資格の種類 | 内容 | 学習時間 | 受講料 | 公式HP |
公認会計士 | 国家3大資格の一つ、医師・弁護士と並んで難易度の高い資格 | 3000~5000時間 | 7,500円 | 詳細を見る |
税理士 | 税務のスペシャリストとして独立も目指せる国家資格 | 3500〜4000時間 | 19,500円 | 詳細を見る |
公認会計士
公認会計士とは、金融庁の公認会計士・監査審査会が主催する国家資格です。
- 国家3大資格の一つ、医師・弁護士と並んで難易度の高い資格
- 試験内容は、短答式試験で4科目、論文式試験は5科目の計9科目
- 範囲が広く経理以外にも監査役などの重要ポジションや独立など活躍できる場が多い
- 必要な勉強時間は3000~5000時間(専門学校などを利用して合格を目指すのがオススメ)
資本金が5億円以上の大企業や上場企業では、公認会計士による監査が義務付けられているため高い需要があります。
税理士
税理士とは、国税庁が主催する国家資格検定です。
- 税務のスペシャリストとして独立も目指せる国家資格
- 税金の申告や納付、財務の資料作成など税務に関するスペシャリストとして重宝される
- 試験内容は、会計学に関する2科目と税法に関する7科目の中から3科目を選んだ計5科目
- 必要な勉強時間は3500〜4000時間
必要な勉強時間を見てもわかるとおり、税理士は長期的に計画を立てて勉強することが重要です。
資格を取得できれば、として企業内で重宝される存在になることでしょう。
経理でグローバルに活躍したい方向け資格3選
ここでは、海外に活躍の場を広げたい場合に役立つ資格をご紹介します。
資格の種類 | 内容 | 学習時間 | 受講料 | 公式HP |
TOEIC | 海外に事業を展開する企業などで働く際に役立つ資格 | 3500〜4000時間 | 7,810円 | 詳細を見る |
米国公認会計士 | 会計学の基礎やマネジメントなどの米国基準の知識が身につく | 800時間以上 | 400,000円 | 詳細を見る |
国際会計検定 | 商工会議所が主催している「日商簿記検定」の英語版 | 簿記と英語の知識があれば、必要な勉強時間は40〜60時間 | 5,500円 | 詳細を見る |
TOEIC
TOEICは、米国にある非営利テスト開発機関ETSが制作する英語のコミュニケーション能力を測るテストです。
- 海外に事業を展開する企業などで働く際に役立つ資格
- 合否ではなく点数によって自身がどの程度の英語力を身につけているか判断できる試験
- 企業内で英語を使用する場合は600点以上、外資系企業は800点以上あることが一つの目安
- 必要な勉強時間は3500〜4000時間
職場での英語の使用頻度によって必要なスコアの目安は異なります。
転職やキャリアアップなどの目的では、日本での知名度が最も高いTOEICがおすすめです。
» 国際業務に必要な専門スキルを高めるポイント
米国公認会計士(US・CPA)
米国公認会計士とは、グローバルな活躍を目指すための米国の公認会計士の資格です。
- 会計学の基礎やマネジメントなどの米国基準の知識が身につく
- グローバルな分野で高い評価を得られる
- 出題は全て英語なので英語を習得していることが必須
- 試験内容は、財務会計や企業経営環境・経営理念、諸法規・監査および手続きの4科目
- 必要な勉強時間は800時間以上
簿記の知識を学んでおくと、国際資格を取得する際の足掛かりにもなります。
ちなみに若いうちにUSCPAを取得できると、外資系企業で結構良い給料がもらえます。
国際会計検定(BATIC)
国際会計検定(BATIC)とは、商工会議所が主催する英語での会計処理能力を測る検定試験です。
- 商工会議所が主催している「日商簿記検定」の英語版
- 全て英語で出題され、TOEIC450点取れていれば読解できるレベル
- 国際会計検定は、TOEICのようなスコア制を採用
- 簿記と英語の知識があれば、必要な勉強時間は40〜60時間
近年知名度も上がり、高い評価が受けられるようになった国際会計検定の資格です。
国際会計検定を持っていると、外資系企業や日系グローバル企業への転職の際に有利に働くでしょう。
必要な資格を取得するための費用を捻出する方法の一つとして、格安スマホや格安SIMへの乗り換えを検討するのも有効です。
» 格安スマホ(格安SIM)のおすすめ厳選6社を紹介【選ぶポイントも解説】|ラクシム
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